産卵行動
2020/09/03 [Thu]
記事の中でもチラッと書いたことがあるのですが、カブトムシメスのワドルディの産卵行動に関して、とても面白い発見をしたので記録に残しておこうと思います。
産卵セットから出したが…
7月半ばに★デデとワドルディをペアリングさせ、その晩すぐにワドルディを産卵セットに投入しました。（★デデが凶暴で交尾後に殺してしまいそうだったので）
3週間ほど経った8月上旬、ケース側面に卵や幼虫が見えてきました。
そしてマットが上の方まで敷き詰められている狭い産卵セット内でワドルディが毎晩のようにバタバタ飛んでいるので、広いところに移してゆっくりさせてやろう、とヒノキマットを混ぜた柔らかいマットを薄く敷いた中ケースに移してあげました。
が、いざ広い環境に移すと急に飛ばなくなり、その翌日ぐらいからすぐに昼夜問わずせっせと土を掘り始めました。
山を作った
その後3日ぐらいかけて、ワドルディは写真のような立派な山を作り上げました。
写真では分かりにくいですが、ヒノキマットが混じっていてフワッとしており、水分もそんなに多くはなかったので、こんな山を作るのはなかなか至難の業だったと思われます。
その後この山に潜り、この中で産卵をしていたのです。
つまり、産卵には全く向かない環境だったにも関わらず、自ら一生懸命産卵環境を作ってまで卵を産んだのです。
それも、既に産卵セットで40以上の卵を産んだ後なので驚きです。
相当体力を消耗したらしく、その後は目に見えて弱っていきました。
今度こそ休ませてやろうと小ケースに移し、山があった箇所をチェック。
他の記事でも書きましたが、8個の卵が出てきました。
すごくフワフワのマットなのに、卵の周囲だけ少ないマットが集められ、きれいに固められていました。山を作ることによって重い土が下の方に集まるので、その原理をうまく利用したのでしょう。
特に山の重みで土が少し硬くなる角を中心に卵が産み付けられていました。
産卵環境を自分で作れる
カブトムシの産卵に関して、今年ワドルディ1例しか見ていないので、他のメスも同様にこんな行動をするものなのか、できれば来年検証してみたいと思っています。
今年、長男の自由研究のために足繁く近所の大きな公園に通って、姿は見付けられなかったものの、角や羽の残骸を発見し、確実に存在はしているのだろう、という確証を得ました。
が、シラカシやコナラの木の周辺を観察するも、公園なので土はカラカラに乾いていて、決して産卵に向いているとは思えない環境でした。
しかしメスにこれだけの知恵があって、産卵環境を自ら作り出せる力があるならば、劣悪環境であっても産卵ができるのかもしれない、と気付かされました。
メスはとにかく産卵したい？
クワガタに関しては分かりませんが、我が家のオオクワガタ♀のカービィも、産卵セットから出して1ヶ月以上、ソワソワと昼夜問わず地上を徘徊していました。
弱っているのかと心配しましたが、ここ最近はすっかり姿を見かけなくなり、マット交換の時に久しぶりに見ると元気いっぱいでした。
そして現在産卵中のピグリンも、昼夜問わず必死に材を齧り続けています。
カブトムシもクワガタも、一度交尾をすれば死ぬまで卵を産み続けることができると聞きます。
ただ、オオクワガタなどは産卵後に無事に越冬するケースもあると聞きますし、上記のようにカービィもすっかり落ち着いて交尾前と同じような状態に戻っているので、もう産卵時期は終えたのかもしれません。
人間の出産のことを思えば、今にも産まれそう！という時にストップさせられるなんてことは絶対に不可能ですし、産むものを産んでしまわないと命に関わります。
さすがに昆虫がそれと同じ事情だとは考えにくいですが、人間も出産が近付くとなぜか部屋を片付け始めたりしてしまうものなので（←本能的なものらしいです）命が生まれるということは、生物の種類を問わず神秘的なものなのだなぁ、とつくづく考えさせられました。
このような、カブトムシが自ら産卵環境を作る、というケースはネットで検索しても見付からなかったので、ブリーダーさんや専門家の方などの情報をお待ちしております。
どうぞお気軽にお問い合わせください！
カブトムシの出産に関するまとめ
- 産卵セットから出しても出産しようとする
- 劣悪環境であっても自ら最適な環境を作り、そこに卵を産む
長々と書いたのに、たったの2行でまとまってしまいました（笑）
LABO
甲虫を飼育する中で実験してみたことや気付いたことをまとめています。
あくまで素人目線ですが、飼育の参考にしていただければ幸いです！
