過食のオオクワガタ

2021/11/13 [Sat]

今年羽化したオオクワガタ達、初めての幼虫飼育だったにも関わらず死亡率が低く、トータル44匹中34匹が羽化、あと2匹は他全てが羽化して出てきた頃に確認したところ、まだ幼虫でした。
その後食痕が全くないので死んでいるか、羽化して出てこないだけなのか?未確認です。

無事に羽化したものは、ほぼ全て何の問題もなく元気な個体でした。
ただ、一匹だけ羽化不全となってしまったものがいて、出てきた時には内翅がはみ出した状態で上翅は根本が少し浮いて凹んでいました。

この状態だと、いずれ死んでしまうだろうか?と思っていましたが、意外にも元気で、はみ出した内翅はいつの間にか千切れてなくなり、凹んだ上翅もさほど目立たなくなり、他の正常なオスとあまり見た目に差がないぐらいまでに回復?しました。

が、後食が始まるとこの子、ブアローイは本当に常に、恐らく24時間ずっとゼリーを舐め続けていることに気付いたのです。

外傷が目立たなくなっていたので、最初このブアローイが羽化不全の子だということを忘れていて
「食いしん坊な子やなぁ」
などと笑っていたのですが、エサ交換をしている時にふと上翅の付け根が未だ少し浮いているのを見て思い出しました。

そして、こうして異常なまでにエサを食べ続けるのは、この羽化不全による負傷が原因なのではないか?と思い立ったのです。

完全に素人の考察なので、何の根拠もなく単なる想像の話なのですが、私が考えたブアローイの現状と過食の原因について記したいと思います。

起きている事象

  • 羽化不全で内翅の一部が千切れている。上翅は根本から少しずれて凹んでいる。
    羽化直後は内翅がはみ出していたが、自然に千切れたのか、いつの間にかなくなっていた。
  • ほぼ24時間ずっと昆虫ゼリーを舐め続けている。
    ゼリーがなくなるとパニック状態になりケース内をずっと徘徊している。ただし食べるペースは遅く、餌が減るペースは他の正常なよく食べる個体と同じぐらい。
  • 羽化後しばらくはこのような症状は見られなかったが、それは単に後食が始まっていなかったからだと思われる。

過食が起きている原因の考察

  1. 羽化不全により腸機能?)に異常があり栄養を蓄えることができない。
  2. 内蔵に異常があり、人間で言う膵臓が正常に働かず低血糖症のような症状が起きている。
  3. (翅周辺が傷付いていることから)人間で言う副腎に異常があり、ホルモンの分泌が正常に行われず低血糖症のような症状が起きている。
  4. 上記と同じく副腎に異常があることから、自律神経失調症のような症状が起きており食欲をコントロールできない。
  5. 羽化不全によって翅が欠損しているため、それを治そうとする作用が働き、餌に含まれるトレハロース(昆虫のエネルギー源)を摂取し続けている。

冬眠に関して

  • 1の原因だとすると栄養を蓄えることができないため、冬眠ができず死んでしまうと思われる。
  • 4の原因だとすると冬であっても気温が少しでも高ければ餌を求めて動き回るのではないかと思われる。
  • 2、3、5が原因だとすると栄養自体は摂れているので、寒くなり動けなくなると通常通り冬眠すると思われる。
  • いずれの原因であったとしても負傷していることには違いないので気温が下がることによる死のリスクは大きい。

昆虫に関する研究はあまり進んでいないそうで、こういった昆虫の不調などに関する情報は少なく、しかも羽化不全だと早々に死んでしまうケースの方が多いと思われるので調査も難しいのではと思われます。

最初は昆虫の内蔵について調べたりしていましたが有用な情報は見付からず、ただ根本的に内蔵の仕組みは人間と同じであるというような記述を見て、人間の過食症の原因などについて調べました。

すると、人間の過食症の原因は多くのケースで「ストレス・神経性のもの」とされる一方で、「低血糖症」が原因であるとする記述もいくつか見られました。
したがって、いくら心の治療をしても根本的な治癒にはならないので、低血糖症の治療(食事療法、必要に応じて投薬など?)をすべきである、という見解です。

この意見にはとても共感を覚えました。
そもそも昆虫に心の治療などできるわけがなく(笑)この過食はもっと本能的・原始的な原因から起こっているものだと考えるのが自然だと思っていたからです。

つまり前述の考察の中では、2と3に該当します。
ただ、ゼリーがなくなった時に異様なまでにケース内を暴れる現象は4に近く、これが人間で言う「ストレス・神経性」なのかもしれません。

このような状態で冬、無理に冬眠環境に置いて実験をするというのは心が痛むので、11月現在、他の部屋よりは気温の低いトイレに置いて様子を見ているのですが、他のオオクワガタ達が既に冬眠準備でほとんど餌を食べなくなっている中、やはりブアローイだけはひたすら食べ続けています。

ただ、一度かなり気温が下がった日、珍しく土に潜っていたことがあったので、もしかすると冬眠できるかも、という希望も見えてきました。


さて、なぜこんなことを熱心に書いたかと言えば、
ずっとエサを食べ続けているブアローイが心配だということももちろん一因なのですが、
過食に限らず、特に女性の体の不調の多くが「ホルモンバランスの乱れ」が原因である、と片付けられることが非常に多く、そのことに以前から違和感を持っているからです。

前述の考察で言えば、副腎に異常があり、その結果ホルモンが過剰に分泌されたり、逆に不足するということなので確かに「ホルモンバランスの乱れ」で間違いはないのですが、ではなぜ副腎に異常が起きているのか?という根本原因が分からないので、モヤモヤする訳です。

これまで書いてきた考察より、ブアローイの過食症状が物理的な副腎の異常(傷がある、または器官の不全)によるものだと想定すると、
人間も内蔵に何か物理的異常が加わった際に副腎にも異常が伝わり、(または副腎そのものに物理的異常があった時?)その結果ホルモンバランスが乱れるのではないか?と考えました。

妊娠・出産などに関連して女性は身体のコンディションが大きく変わる(=物理的に内蔵の配置も変わる)ので、女性の方が何かと「ホルモン」の影響を受けやすく、そして何でも「ホルモンのせい」にされているのではないでしょうか。

コンディションの変化そのものを止めることはできないため、その物理的変化がいかにして身体や心の不調につながるのか?
つわりなど、かなり重い人と全く症状のない人の差(内臓の差)は何なのか?

「ホルモン異常」の根本原因が分かれば、解決する病気も多いのでは、という気がするのですが。
そんな簡単なものでもないんでしょうかね…。

かく言う私はつわり経験ゼロで、女性特有の苦しみをほとんど経験したことがないのですが、それはそれで女性なのに女性の気持ちが分からず、苦労するものです(笑)

女性の悩みに関わらず、自律神経は体の不調に大きく影響すると言われます。
いつも行っている整体の先生に、肩甲骨周りの凝りが酷いと血液の循環が滞って自律神経失調症になるという話を聞くのですが、ブアローイの羽周りも人間で言えば肩甲骨。

そろそろ更年期も見え始めるお年頃の私からすると、自律神経が乱れて過食になっているブアローイに同情すると共に、共感を覚えてかわいくも感じるのであります。

迫り来る冬に備えて、しっかり様子を見て対処してあげたいと思います。

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