ワンダリングとは?

2021/04/10 [Sat] オオクワ幼虫 カブト幼虫

この記事には後日談があります。
  1. そもそもワンダリングって何だ
  2. クワガタ幼虫の「暴れ」
  3. 終齢ではない幼虫のワンダリング
  4. ワンダリング対策

まだ4月上旬ですが、カブト幼虫たちにワンダリング行動が見られるようになりました。

クワガタの冬眠明けにせよ、ワンダリングにせよ、例年より1ヶ月早いです。今年は例年よりも早く気温が高くなったからでしょう。

このサイト、一応アクセス解析等をしているのですが、今月になって「ワンダリング」の検索から訪れている方が増えているので、改めてワンダリングについてきちんと書いておこうと思います。

そもそもワンダリングって何だ

改めてワンダリング(wandering)というものについて調べていたのですが、由来などは分からず、いつ頃から誰が言い始めたのか分かりません。

カブトムシに限らず、幼虫が蛹になるのに最適な場所を探してさまよう行動を指すようですが、図鑑などで確認したわけではないので、これが正式な表現なのかどうかは分かりません。
ブリーダーや研究者などの方々の間でいつの間にか広まった言葉なのかもしれません。

春になると蛾や蝶の幼虫が地面をさまよっていて、それを拾って葉っぱの上に戻してやる、というのは虫好きあるあるだと思うのですが、あれも言うなればワンダリングということですね。

カブトムシの場合、

  • 容器をガリガリかじる
  • 地上に出てくる
  • 脱走する

などを指します。

箇条書きしましたが、ある種これは順番になっていて、

蛹室作りに適した場所を探し回って容器をかじる → 良い場所が見付からず地上まで出てきてしまう → 地上で暴れまわった末、脱走する

ということです。

脱走なんてまさか、と思っていましたが、さほど珍しいことでもないらしく、本日幼虫たちの状態チェックと水分補給をしていたら、デワ20が脱走して洗濯ネット内に転がっていました…。
※焦ってさすがに写真を撮る余裕はありませんでした…

クワガタ幼虫の「暴れ」

クワガタの幼虫を菌糸瓶に入れて、数日〜1週間ほどで瓶の表面が茶色くなってしまうことを「暴れ」と呼ぶようです。

これは菌糸を食べたわけではなく、菌糸瓶内の環境が何らかの原因で気に入らず内部を移動しまくって菌床をかき回したせいなのだそうです。

マット飼育しているメカ9。蛹室っぽいものが作られている。菌糸瓶でも同様に側面に空間が見えているものがいくつかあった。

暴れにも様々な原因があるようですが、これも言い方を変えればワンダリングです。
終齢幼虫が蛹室を作る場所を探して暴れる例も多いそうです。

我が家のオオクワガタ幼虫たちの菌糸瓶には暴れの現象は見られていませんが、カブトムシ同様、ガリガリと激しく容器をかじる音が一日中聞こえています。
既に蛹室らしきものが作られているものもいくつかありました。

※後日談:写真のものは蛹室ではなく後日見たらあちこち移動していました。マットだとクワガタもカブトと同じようなワンダリング行動をするんですね。

終齢ではない幼虫のワンダリング

カブトムシでもクワガタでも、明らかに終齢ではない幼虫が地上に出てきたり、異様に容器をガリガリかじったりする場合、ほぼ9割方マットまたは幼虫自身のコンディションに問題があります。

  • マットの再発酵(熱くなっている、ガスが発生している → 酸欠)
  • 水分不足または過多
  • 餌不足(マット内がほぼ糞で埋め尽くされている)
  • 病気
  • 死の直前

私はカブト幼虫の飼育は2年目、クワガタは初めてですが、上記すべてを体験・確認しました。

マットの再発酵は、幼虫を投入する数日前からボトルを部屋に置いて環境に慣らしたり、対策をしてきたのですが、それでも部屋の気温がいつもより少し高くなっただけで再発酵を起こしてしまうことがあります。

そもそもPPボトルは熱がこもりやすいらしいので、本当はガラス瓶の方が良いのでしょうが、扱いを考えるとPPボトルの方が便利で…。

通気性を良くして、かつ乾燥対策もできる工夫を考え中なので、また今年次の幼虫が生まれてきた時にでも試行錯誤してみたいと思います。

また、他の幼虫たちは普通に潜っているのに1匹だけずっと地上にいて潜らない場合、残念ながら数日中には死んでしまいます。

出たり潜ったりするようなケースもありますが、無事に潜った、と安心していたら冬眠中に死んでいたりしました。

ワンダリング対策

終齢でない幼虫の場合

  • マットが再発酵している場合はフタをしばらく開けておいて換気(可能ならマットを出して再度かき混ぜてガス抜きしても良い)
  • 水分過多・マット表面が糞でいっぱいになっている場合はマット交換
  • 菌糸瓶(クワガタ幼虫の暴れ)の場合は新しいものに交換(自作の場合、詰め過ぎに注意)
  • それ以外の場合(死にかけ)は尽くす手なし

マットの再発酵は割によく起こるので、たくさん幼虫がいるとその都度かきまぜるのは大変ですし幼虫にも余計なストレスがかかります。

これまでの経験上、フタを開けるだけでもガスがだいぶ抜けるようなので、定期的(1〜2週間に1回)に様子見がてらフタを開けてやると良いようです。

再発酵対策は終齢幼虫でも同じですが、割と簡単にフタを押し開けて脱走してしまうことが分かったので、くれぐれも長時間フタを開けっ放しにしないように気を付けましょう。

終齢幼虫の場合

トップにも貼った写真。蛹室にしては地上に近すぎるので多分ワンダリング中。

越冬後にマット交換をしていないならば、すぐに交換すべきだと思います。
地域によって条件は若干違ってくると思いますが、日中の気温が15℃を超える3〜4月頃がベストでしょう。

※ただ、今年は例年より暖かくなるのがちょっと早いので2〜3月がベストでした。4月で既にギリギリな感じがします。

ボトル中間ぐらいまでは、いつもより少しきつめにマットを詰める方が良いらしいですが、詰め過ぎると再発酵時、ガスが充満しやすくなるので要注意です。

クワガタ幼虫の暴れの場合、マット飼育に切り替えるのも一つの手らしいです。

既にマット交換済みで、水分量にも問題がないのであれば、

とにかく放っておきましょう。

これはもう過去の自分に強く言いたいです。

昨年、頻繁にワンダリングをするデデデとワドルディが気になって、一番デリケートな時期である5月に頻繁にマット交換をしてしまいました。

本当に幸いなことに、ワドルディは無事に羽化してたくさんの幼虫たちを遺してくれましたが、デデデは蛹化前に体力を使いすぎたためか羽化不全で死んでしまいました。

カブトムシの蛹室
昨年育てていたデデデが作った蛹室

しかし、そんなに頻繁にマット交換をしたにも関わらずデデデは上手に蛹室を作っていました。

なので、少々マットの状態が悪かったとしても、そのうち蛹室を作るはず。

蛹室を作れず、地上で前蛹になっていたのなら、人工蛹室に移してやれば良いだけ。(私はまだ人工蛹室は未経験ですが…)

それでもダメで死んでしまったとしたら、それは別にマットのせいだけではなくて、元々弱っていたとか、病気だったとか、そういうことも多々あるのではと思います。

言うても私もカブクワ飼育は初心者なので偉そうなことも言えないのですが、いろいろと調べて試行錯誤してきた結果、現時点での結論です。

今後もいろいろと研究していきたいと思うので、新たな発見があれば、また都度発信したいと思います。

/ / / / / / /

ABOUT

QUEEN DESIGNINGの裏サイトとして趣味で運営しています。家で飼っているカブト・クワガタ達の飼育記録から、ペアリングや飼育に関して調べたこと、試行してみたことなどを記録しています。

ブリカ

JawsGeorge甲虫研究所

QUEEN DESIGNING

甲虫飼育スケジュール

サイト内検索